わが国において企業の資金調達は、社債、CP等の発行に係る法令等に基づく制約 もあって市場からの直接調達が容易ではなかったことから、長く金融機関からの借入れによる間接金融に依存しており、 企業の資金調達の多様化・円滑化の実現は、産業の育成の観点からも大きな課題のひとつとして挙げられ、間接金融に代わる資金調達手段が待望されていました。
このような状況において、平成5(1993年)年6月の「特定債権等に係る事業の規制に関する法律(特債法)」の施行により、リース・クレジット債権の流動化による資金調達の本格的な幕開けを迎えました。さらには、平成8(1996)年の同法の改正によって、資産担保型証券の発行が解禁され、以後、わが国における資産流動化・証券化市場は活発化していきました。
また、同法に基づく指定調査機関として、平成5(1993)年5月に財団法人日本資産流動化研究所が設立されました。同研究所は、指定調査業務のかたわら、資産流動化と投資者保護の問題等を中心とした調査研究活動にも積極的に取り組み、数多くの調査研究成果を発表するなど、わが国における流動化・証券化の発展過程において重要な役割を果たしてきました。
同研究所は、特債法の廃止に伴い平成15(2003)年3月に解散しましたが、その後は、しばらくの間、資産流動化・証券化に係る議論や調査研究等の活動を行う組織は存在していませんでした。
このような状況に鑑み、まだわが国において歴史の浅い流動化・証券化に係る諸課題について横断的に議論・検討し、政策提言等を行うための組織を設立する必要性が高まってきたことから、資産の流動化・証券化市場の健全な発展に寄与することを目的として、平成17(2005)年1月に「流動化・証券化協議会(Securitization Forum of Japan、略称SFJ)」が任意団体として設立され、活動を開始しました。
平成19(2007)年7月には、当協議会の更なる発展と安定的かつ継続的な活動を行うために、新たに有限責任中間法人を設立し、任意団体の全事業を移行させて活動を展開してきましたが、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の施行に伴う「中間法人法」の廃止に伴い、平成20(2008)年12月より一般社団法人に移行して活動を展開しています。